戦士の決断

ACG WIN KOEI 1999年



〜ストーリー〜

 2005年10月、北アメリカ・アリゾナ州の砂漠に超大型の宇宙船が不時着した。
宇宙船は壊れた箇所も見うけられたが、まだその機能を完全に停止していなかった。人類は記念すべきファースト・コンタクトを前に、期待で胸を膨らませた。
 しかし、人類の期待とは裏腹に、謎の宇宙船は沈黙を続け、人類からのあらゆる接触を拒んだ。国連の要請を受けて多国籍軍がカリフォルニアに集結すると、人々はしだいに不安にかられていった。

 それから2週間後の11月10日。多国籍軍はいつもと変わらぬ朝を迎えた。すでに見慣れた風景と化した宇宙船の姿が、朝焼けに照らし出される。
 そして、7時8分、運命の時がやってきた。


 宇宙船の船体に装着されていた、全長1キロメートルもの戦闘艦が突然、母船を離れたのである。その数15機。呆然と見守る多国籍軍兵士の前で、戦闘艦は目も眩むような閃光を放った。
宇宙船の周りに陣取っていた多国籍軍の戦闘車両は、その閃光の一撃で瞬時に爆発炎上した。
 多国籍軍は混乱に陥り、情報やデマが交錯した。司令部でさえもが戦況の行方を把握できない。人々はテレビモニターの前で、多国籍軍が勝利することをひたすら祈るしかなかった。
 だが、6時間後、戦闘艦が世界の主要都市の上空に姿を現したとき、人々は多国籍軍が敗れたことを知った。

 わずか数時間で多国籍軍を壊滅させた戦闘艦にとって、散発的な攻撃を繰り返すだけの各国軍隊は敵ではなかった。1週間の戦闘で、世界の主要都市はすべて廃墟と化した。
 人類が組織的な抵抗力を失ったあと、戦闘艦は世界各地に着陸した。そして、世界15カ所に戦闘艦を中心としたエイリアンの基地を建設した。人類を威圧するようにそびえ立つ基地。エイリアンはそこを基点に世界中に地上部隊を派遣し、生き残った人類の殺戮を開始した。


 対する人類に残されていた武器は、生きていたいという執念、そして死を恐れぬ勇気のみであった。

〜ちょこっとゲームリプレイ〜 


主人公は名前と職業の選択ができ、ゲームデザイナーという職業もありますが、能力値が・・・(無職と並ぶ最低のスキルかも(笑))
オープニングイベント、フランスは首都のパリで偶然エイリアンの母艦に侵入するにようになった主人公。


2人の仲間と、リアルタイムの白兵戦でエイリアン母艦の基部を破壊&敵を全滅させろ! 
この戦闘はオープニングイベントに近く、エイリアン兵士に撃たれても死にません(笑) 落ち着いて操作方法を練習しよう!


パリのエイリアン母艦を占拠した主人公、そのままレジスタンスのリーダーとなってしまいます。しかし最初の仲間は4人だけ…
仲間を集めるには、周辺の都市を解放しなくてはいけない…主人公と仲間4人だけでベルリンにレジスタンス戦をしかけろ!


レジスタンス戦の勝利条件は、敵の全滅のみ。こちらの武器はハンドガンだけ、武器が弱いうちは団体行動で戦闘を仕掛けろ!
エイリアン兵士の撃破も重要だが、敵の増援などを妨害するため、転送装置などエイリアン施設の破壊も重要だ!


近接戦闘では無傷で勝利することは不可能。安全地帯を確保した後、治療ツールを利用して体力を回復させながら戦闘を続けよう。
そして苦戦しながらも敵の全滅に成功! ベルリンを開放したぞ!!


しかしその頃、世界では人類に対する虐殺は続いていた。エイリアンの目的ははっきりしている。『人類の抹消』それだけだ・・・
開始1ターン目では、人類の生存者数は残り22億人、戦いが長期化するほど、生存者は減っていくぞ・・・(恐怖)


都市を開放した場合、新たな武器の開発が可能となる。今回はアサルトライフル、ハンドガンよりも射程は長いぞ!
そして新たな仲間が・・・レジスタンスへの参加は無論OK! いまさら国籍なんて関係ない、みんなで地球を守るんだ!!(熱血!)

〜思い出〜

 この作品を制作した光栄さんのパソコンゲームについて、家庭用に移植されるゲームと、家庭用に移植されないゲームがあります。
 おそらくは、パソコン用に発売したものの人気が出なかったソフトは闇に葬り去られるのかもしれません。
 本作品も、WINDOWS版のみの発売で倹価版も発売されず、そして2006年に、絶版ソフトとしてオフィシャルのホームページからも抹殺されてしまった、不遇なソフトともいえます。

 人気が無い点について、いろいろ原因があると思います。

 筆者が他のプレイヤーに、あまりお勧めできない理由を思いつくままに書き出してみると、

・光栄にしては珍しく、戦闘がリアルタイムシミュレーションである。
・光栄にしては珍しく、戦闘の委任ができない(!)
・光栄にしては珍しく、1キャラ+固定シナリオしか選べない
萌えないキャラクター(キャラデザインは筆者的に好きなのですが)
・1回クリアしても、2回目のプレイで何も変化が無い。
・兵器関連のレベルアップが少ない。
・全体的にやっつけ仕事、というか最後にあわてて仕上げたような雰囲気。

 思いつくだけ一気に書いてみました(笑)…なんだか、たくさんあるのは気のせいでしょうか(苦笑)

 でも、筆者的にはこの作品は好きです。
 というのは、家庭用ゲームでこういうゲームがリリースされるとすれば、おそらく血が飛び散るような残虐ゲームになってしまうのでしょうが、このゲームはグラフィックに残虐なところが無いので、筆者的には安心してプレイできました。
血が飛び散るシーンに刺激を感じるプレイヤーには、まったく物足りないとも言えますが


> 初プレイ(約10年前)のセーブデータがあったので晒します。大体3分の1の都市を開放したところですが、人類は残り6億人。
> 約15億人が虐殺され、エイリアンによって人類が全滅した地域もちらほら・・・、今後の展開が苦戦必至のデータです(汗)


 さて、なんでいまさらこのゲームをプレイしたかというと、スピルバーグ監督の映画『宇宙戦争』を観て、ふとこのゲームを思い出したからです(笑)
 映画『宇宙戦争』とシチェーションはそっくりなので、その映画が好きな方には、この作品はオススメできるのかもしれません。
 余裕資金があり、マイナーゲームに愛を感じるゲーマーはお勧めの一品であります(笑)


 さて、ここ近年パッケージ販売によるパソコンゲームの発売作品数が少なくなりました。
 もっとも、インターネット通信で入手できるフリーソフト・同人ゲームなどもありますし、成人向けのゲームを含めると、まだまだ絶滅寸前とはいえないのですが、一昔前に比べると、閑散とした状態であることは否めません。
 成人向けのゲームを除くと、ソフトハウスによって製作されるゲームは、工画堂、光栄と日本ファルコムが目立つところで、それすらも減少している情勢です。

 ゲーム人気が下火になったり、パソコンユーザーの数が少なくなったりしたわけではなく、またパソコンゲームに魅力が無くなったわけではありません。非パッケージ型のゲームについては、ネットゲーム等、今なお盛り上がりをみせています。
 ネット回線の高速化が進むにつれ、(家庭用ゲーム機も含めて)パッケージで提供されるソフトはゼロにはならないものの、壊滅状況となる可能性は非常に高いと思われます。今のゲーム業界は、そういった状況に対応できる状態となっているのでしょうか。
 今後、外国製の情報端末(kindle等)など、家庭のテレビを使用しなくとも遊べるハードが多数上陸する予定となっています。今後のゲーム業界の興亡を、一ゲーマーとして興味深く見守りたいと思います。

10/02/20

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