ＪＥＳＵＳ

ＡＶＧ　ＰＣ８８　エニックス　１９８７年

〜ストーリー〜
　１９８６年、大フィーバーの中、ハレー彗星は太陽系を去った。
そして時は流れ、２０６１年、ハレーは再び地球へとやってきた。

　７５年前初めて無人探査機を打ち上げた人類の科学は、この接近ではついに有人探査機を飛ばすところまで進歩していた。世界８か国から選ばれた乗員が、２機の探査機に分乗し、スカイラブ「ＪＥＳＵＳ」から飛び立つ。探査課題１つは、ハレーの尾ガスを採取すること。
　それは宇宙・天文分野ばかりでなく、生物学の謎を解くことでもあった。

「生命は地球で誕生したのではなく、彗星からもたらされた」

　この説を追って接近するハレー彗星に向かい、まず１号機「コメット」が、次に２号機「ころな」が発進する作戦である。１号機の「コメット」がハレーのガス採取を行う予定だが、まず間違いなく成功する見込みである。

〜ちょこっとゲームリプレイ〜　

背後からモンスターに襲われて絶命する１号機クルーの“バルカス”！ 実はテレビゲームで死んだだけだった！
“速雄”との賭けに負け、特大バーガーを無理やり食べる。そんなほのぼのとしたオープニングでゲームは始まる


主人公の２号機乗員“速雄”は、指令から出発前に、すべてのクルーへ認証カードを渡す命令を受ける。
それぞれと会話しながらカードを渡すので各キャラクターが覚えやすく、非常に良い導入部分だと思います。


医務室で２号機クルーの“朱芳花”さんやバルカス、１号機副キャプテンの“ベリーニ”にカードを渡そう。
１号機、２号機ともに４人の乗員であるため、自分を含めて８人がメインキャラクターとなります。


両キャプテンにカードを渡し、そして２号機クルーの“エリーヌ”の部屋へ。実は速雄とは相思相愛の仲。
１号機と２号機に分乗するため、しばしの別れに二人で名残を惜しむ速雄とエリーヌ。（うらやましい(笑)）


まず「コメット」が、そして２週間後に「ころな」が発進し、コメットから無事ハレーの尾を採取した通信が入る。
しかし、その直後にコメットから緊急信号が入電する！　コメットに何が起こったのだろう！？


２号機「ころな」からは速雄が偵察員として一人、快速艦「いなづま」でコメットに向かう事に！　
キャプテンから支給された（ナビゲータロボット？）“ＦＯＪＹ”と一緒に急行せよ！


コメットのエアロックには難なくドッキングでき、内部に突入する。だが、コメットの中には人影が無い……
コクピットに向いながら、階層毎に分かれた部屋を探索する。そしてある部屋には血痕が、その奥には……！！

〜思い出〜
　子供にとって、ゲーム機本体は高価なものだと思います。このレビューをご覧になっている９割以上の方は、子供の頃にファミコンなどの家庭用ゲーム機を、親に購入してもらったのではありませんか？
（自分でゲーム機を購入できるようなブルジョア小学生は少数だと思います…少数だと信じたい（苦笑））

　特に、ゲーム用として数十万円もするようなパソコンを購入できるような親はそんなにいないと思います。
（安価なＭＳＸパソコンならともかく←筆者の家の場合）

　ファミコン、ＭＳＸに慣れた目で、遊びに行った知人の家でＰＣ８８が動作していたのを見たときは、本当に驚きました。それは、グラフィックが綺麗、音源が凄いとかではなく「家でこんなゲームができるのか！」という感覚でした。
　そして、それはそのまま筆者がＰＣ８８への強い憧れとなりました。当時、親に頼んでも決して買ってもらえないだろう高価なパソコン。自分には手の届かない夢のような存在が、そこにあったのです。

　当時の筆者にとって、色々な意味で憧れの対象となったのが、本作品“ＪＥＳＵＳ”です。
それは、段違いのサウンド（ファミコン３音、ＰＣ８８は６音同時）はもとより、ファミコンなどのＴＶのアナログで表示するような滲んだグラフィックではなく、パソコン専用のモニターでくっきりとドットが立った画像は印象的でした。

　特に、アドベンチャーゲームではゲーム中の文章が重要となります。ファミコンのゲームでは文章に漢字が表示されず、ひらがなだけでメッセージが表示されるアドベンチャーゲームが殆どでした。（ハード性能的にやむを得ないことは承知していました）
　ひらがなメッセージに慣れていた筆者にとって、漢字を使い放題のパソコンは、本当にっ羨ましかったです（笑）

　それから数年後、ＰＣ８８の後継機ＰＣ９８がメジャーになると、ＰＣ８８は次第に廃れていきました。そして筆者もＰＣ８８を入手する機会に恵まれ、共に購入できた“ＪＥＳＵＳ”をクリアしました。
　筆者は本作品のリリース当時にクリアしていません。ですから、当時の評判がどうだったか、あまり良く知りません。

ただ、はっきりと断言できることがあります。
「時代を経ても良いゲームは良い」と。

０４／０９／１０

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