(第39本目)PARTY'S BREAKER 〜THE QUEEN OF HEART 2001〜 ACG WIN 渡辺製作所 2001年 |
〜何の続編?〜 |
パソコンゲーム界で格闘アクションゲームと呼ばれるジャンルは、あまりメジャーではありませんした。 家庭用ゲーム機とは異なり、パソコンでは大きなキャラを高速で動かす必要が無いため、ハード性能的に不向きだった要因がありますし、もともと格闘アクションゲームがプレイしたければ、わざわざパソコンソフトを購入しなくても、家庭用機のゲームを購入するほうが、遥かにお手軽であるからだと思います。 (「パソコン用の格闘アクションゲームの殆どは、業務用ゲーム機、家庭用ゲーム機からの移植……」) 筆者にはそんな固定観念がありました。 でも、そんな固定観念を粉砕した、パソコン専用の格闘アクションゲームがあります。 それが、『QOH』(クイーン オブ ハート)シリーズ、法人メーカーではなく、同人ソフトメーカーの“渡辺製作所”からリリースされた作品であります! >初代QOHのリリース時、WINNの個人用PCを購入したばかりでしたが、PCの格闘ゲームは××と思っていただけに、プレイした時はビックリ! >以前は渡辺製作所さんのマニュアルに、『このゲームはコピーしても良いですよ〜』と書いてあります…おおらかでしたね〜(笑) 特に、2作目となる『QOH’99(SE)』については、このHPの別レビューにもご案内してありますが、同人ゲームの5指に入る良作ゲームだと思います。 同人ゲームは“続編”と呼ばれるゲームは多くありません。制作者の経済的な事情もあるかと思われますが、一番は前作をプレイした多くのユーザーが続編を望まなければ、制作者のモチベーション(やる気)が起こらず実現しない事だと思います。 そんな『QOH』シリーズの3作目である『PARTY’S BREAKER』を、今回はご案内します。 |
〜ストーリー〜 |
時が経ち、1つの時代が終わりを告げた。 そして、今ここに新たなる時代が幕を開ける…… 《蛇足の補足》 (筆者は一度も訪問したことがないのですが)毎年、夏のお盆頃、冬の年末に“コミックマーケット”と呼ばれる、大規模な同人誌等の即売会が 幕張メッセで行なわれています。 その“コミックマーケット”を題材としたゲームが、『こみっくパーティ』というタイトルで、『痕』『ToHeart』制作のLeaf社から リリースされてます。 もともと、『QOH』シリーズがLeaf社のキャラクターを使用した“二次創作”と呼ばれる、同人ゲームでありまして、前作となる『QOH’ 99』から継続しているキャラクターは“高瀬瑞希”1キャラのみで、本作はほぼ全部のキャラが『こみっくパーティ』登場キャラとなっています。 本作は『QOH’99』とあまり関係が無さそうですが、Leaf社のゲームという事で『QOH’2001』としてリリースされています。 ちなみに、筆者は『こみっくパーティ』未プレイです。なぜなら、同人誌を描いた事がありませんし、ゲーム購入の動機がありませんでした(笑) きっと『こみっくパーティ』をプレイしている方ならば、筆者よりはゲームに感情移入できると思います…。 ……でも、考えてみると、HPを制作しているという行為は、同人誌を制作している事と意味合いは似ているのかもしれませんね〜(苦笑) 『こみっくパーティ』、今度機会があれば購入してプレイしてみようと思います。 面白ければいいなぁ(笑) |
〜ちょこっとゲームリプレイ〜 |
QOHで好評を博したムービー、今回もあります! 最早同人ゲームのレベルではないような……(当時は驚愕) 『こみパ』のキャラから選べ! 自分のメインは“瑞希”だったり…(<QOH’99で結構やりこんでいたので…(不精)) 前作に比べ、256色という制限が無いため背景はとても綺麗! でも、キャラのドットが目立ちます…(汗) 解像度を上げると、キャラ用メモリを最低でも4倍消費するのは…当時の状況ではキツかったのでしょうね〜 今回も空中コンボは健在! チャンスがあればコンボ(連続技)の終わりにゲージ使用の必殺技を叩き込め! QOH’99に比べ派手なエフェクトがかかるぞ! そして、性能の低い俺パソコンにはスローがあぁ!!(爆) 今回もQOHシリーズ恒例の、ゲームをクリア&渡辺HPからダウンロードを行なう事により新キャラが増加! ……うむむ、CPUが強くないか〜(汗)(<筆者が格闘ゲームヘタクソなだけです、ハイ(苦笑)) “WellCome! PiaCarrot!” ある一定の条件を満たすと、某社某ゲームの某キャラが登場!! この真相は、L社が某社イラストレーターを引き抜いた(?)事件のブラックジョークらしいのですが…(爆笑) |
〜思い出〜 |
さて、結論から申し上げると“Party's Breaker”(以下“パブレ”)は、前作“QOH’99”よりもヒットしたとはいえませんでした。何故でしょう? (同人ゲームなのですから、ヒットしたとかしないとか、あまり関係はありませんが…(笑)) パブレが前作よりもヒットしなかった理由を、個人的に推測してみると…… パブレはQOH’99よりもグラフィックは格段に綺麗になっています、BGMもナイスです。 ですが、パブレは4人同時プレイが出来なくなり、QOH’99よりも半分以下に登場キャラクター数が減少しています。 キャラクターが減少した事により、キャラ格闘にありがちな「このキャラクリアしたから次はコレ〜」の、反復プレイも減少してしまったのではないでしょうか? また、QOH’99がLeaf社の、数作品のゲームから使用キャラクターをセレクトしていた事に対し、パブレは、ほぼ“こみっくパーティー”だけからキャラクターをチョイスしています。 QOH’99は数本のゲームのうち、何らかのゲームをプレイしていれば、ある程度容易にキャラクターへ 感情移入(=キャラ萌え(笑))ができました。 反面、本作は“こみっくパーティー”をプレイしていなければ、キャラへの感情移入が難しくないでしょうか? (筆者も“コミックパーティー”は未プレイでありまして、格闘アクションゲームを目的として、パブレを購入しています) また、一般ゲーマーの視点では、前作とゲームシステムに大きな変更が無い事も不満に挙げられます。 QOH’99のプレイ経験があれば、すんなりと遊べるゲームシステムではあるものの、目新しさが無いかもしれません。 キャラクターが減少してしまった事と併せて、前作と比較して飽きが来る要素が早かったかと思います。 もっとも、前作よりもキャラクターが減ってしまった理由は、決してキャラの作成に手を抜いた訳ではなく、各キャラクターの固有技(必殺技)の充実されたこと。加えて、前作よりも各キャラがよりスムーズに動くよう、通常動作でもキャラパターンが増加していることがあります。 モーションなどをよく鑑賞してみると、前作よりも遥かにパターンが充実していることが分かるかと思います。 もっとも、“こみっくパーティー”の登場キャラがそれ程多くない事が最大の原因だとは思うのですが(笑) さて、ゲームを論じている某HP(笑)で『キャラクターゲームというジャンルで、今のユーザーが求めるものは質よりも量』という事が提示されておりますが、今回のQOHもまったくそれ当てはまるのではないでしょうか? 『狭く、深く』よりも『広く、浅く』 まるでゲームの志向(嗜好)が二極化している、今のゲーム業界の縮図を見ているようですね〜(笑) ……余談ですが、筆者がパブレをあまりプレイしない理由は、要求されるスペックが高いことが主原因です。 (要するに、俺パソコンのように古いパソコンでは、性能が低いので満足にゲームが動かないという事です……(汗)) 2003年の現時点で、自分のメインPCはノートPCでありますが、数年前のノートPCですので、遊びを主目的とした使用に耐えうるパソコンではありません。 実際、2001年にリリースされたパブレが必要とするスペックの足元にも及びません(涙) 今回のレビューの画像の取り込みに使用したデスクトップのサブ機ですら、画面写真を見れば性能がしょぼい事の推測ができるかと思います(苦笑) ※ゲーム画面上部に表示のFPSという表示が60未満で、PCの性能が悪くて“処理落ち”している事をさしています…FPS30台って…(汗) また、本作は同人ゲームという事もあり、試作品や、制作元の渡辺製作所さんが関与していないところでキャラクター音声ファイルなど、パブレに関する色々な派生品が存在しています。 >改造プログラムを使用する事で、通常はプレイヤーに選べないキャラを使用することも…(現在、この改造プログラムは配布停止中のようです) >試作バージョンではプレイできた“鬼千鶴”は、正規製品版ではカットされています……(涙) 他にも、イロイロと謎のキャラが……(笑) ゲームを自分なりに改造して遊ぶ事が出来る…。市販ゲームではあまり起きない、別の意味でゲームを遊び尽くす事ができる本作品。同人ゲームとはいえ、個人的には並大抵の市販のゲームよりも遊べるかと思います? (俺パソコンの性能さえ良ければなぁ〜(漢泣)) パブレは面白いです。ゲームとしての出来は決して悪くありません。 ただ1つ残念な事は、比較される前作(QOH’99)があまりにも有名すぎたことではないでしょうか? |
03/09/10 |
本ページの画像引用元(C)渡辺製作所
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